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イベントレポート No. 25
化学科雑誌会主催 野球大会 2017

これは、ヤスの主観に満ち溢れた野球大会のレポートである。全てヤスの記憶に基づいた記録であるため、かなり偏った内容になっていることを御容赦願いたい。

今年も、キャプテンの伸也を中心に、ヤスラボ野球部は土・日曜日に練習や練習試合を重ねた。残念ながらヤスは、柏中学3年で野球部に入っている長男悠馬の野球観戦のため、週末のヤスラボ野球部の練習にはほとんど参加することができず、ぶっつけ本番。
昨年、敗者復活戦で優勝したヤスラボにとって、戦力があまり変わっていない今年は本トーナメント優勝の大きなチャンスである。昨年からキャッチャーの八子が抜けたものの、その穴は新人のホッシーが埋めることとなった。公二朗とホッシーのバッテリーがどこまで頑張れるかが、今年の鍵だ。
また今年は、ヤス、昆ちゃん、公二朗という主力の3人が細胞生物学会に参加するため、初日の一回戦に間に合わないという非常事態。残りのメンバーで一回戦を勝ち抜けるのであろうか?不安を胸に、我々は仙台に旅立った。

1回戦 分子腫瘍 14 - 量子化学 8

勝った、と言う知らせを仙台から戻ってきた新千歳空港で聞く。
よく勝ってくれた!と感動する。相手ピッチャーの制球難から初回に大量得点(9点)を取ることができたのが勝因か。奈波がヒットをかっ飛ばし、陸も2安打。 セカンドのミッキーがお手玉(エラー)、でもヒットを打ったらしい。 ピッチャーのジャイロがそこそこ打たれたようだが、大きな守備の乱れはなかったとのこと。全員野球でつかみ取った勝利であったようだ。皆、よく頑張ってくれましたね、本当にありがとう!

2回戦 分子腫瘍 17 - チーム北キャン 2

ヤス(セカンド)、公二朗(ピッチャー)、昆ちゃん(ショート)と主力が戻り、ベストメンバーでの戦い。1回表、公二朗はピンチを背負うも、相手の攻撃を断ち無得点。1回裏、相手投手、ストライクがなかなか入らない。 ファーボールの連続に、タイムリーヒット、相手の守備の乱れもあって、初回から大量得点。公二朗はランナーを出すものの、後続を断ち、粘りの投球。攻撃陣も好調に得点を重ね、結局大差で完勝。

3回戦 分子腫瘍 13 - 物化・固体 2

一回表、公二朗は走者を背負うものの、気迫の投球で無得点に抑える。一回裏、四球を挟みヒットが続き、得点を重ねる。守備では、公二朗がピンチでも冷静なピッチングを展開し、得点を許さない。3回表には、1、2塁間を抜けそうな痛烈な打球を打たれたが、セカンドのヤスが目一杯伸ばしたグラブに白球がショートバウンドで収まり、1塁送球アウト!かっこいいんとちゃう? いやあ、50代とは思えない、俊敏な守備だ(自画自賛)。菊池ばりのプレーやん、と大いに気を良くする。結局、大差を付けて圧勝。3連勝で準決勝へ進んだ。ヤスは、2回戦、3回戦とほとんどの打席で四球を選び、チームに貢献。

準決勝 分子腫瘍 13 - 有機反応論 0

さあ、いよいよ準決勝だ。頑張るぞ!
1回表、公二朗は危なげなくアウトを重ね、一人ランナーを許したものの無得点。上々の滑り出し。さあ、先制点を取るぞ!1回裏、先頭の伸也はあえなく三振。しかし、2番の昆ちゃんが右中間へ3塁打。3番ジャイロがヒットで1点先制!4番剛もヒットで続き、1アウト1、2塁。ここで、5番ヤスが外角寄りのストレートをバットの芯で捉え、右中間を抜ける走者一掃の2塁打!我ながら、目の覚めるようないい当たりだった。6番ホッシーは1塁ゴロに倒れたものの、7番敦子さんが二遊間を抜けるタイムリーヒットで3塁にいたヤスがホームイン!4点を先制した。 その後も、公二朗は調子良く、相手打線を抑えていき、相手に反撃の糸口を与えない。打撃陣も好調に得点を重ね、ジャイロのホームランも飛び出し、圧勝!
ここまで、ほとんど接戦もなく、相手を圧倒する横綱相撲で決勝に進出した。

決勝 分子腫瘍 5 - 物質化学 6

ずっと楽に勝ち進んできたが、いよいよ強敵だ!相手は、昨年の2回戦で敗れたチーム。無得点に抑えられたサウスポー投手が再び先発だ。リベンジを果たすぞ!でも昨年は大差で敗れたので、とにかく挑戦者として一生懸命に食らいついて、いい試合をしよう!
ヤスが出場していることによるハンディで、ヤスラボ1点リード(3-2)から試合はスタート。1回表、しっかりしまっていこう!と守備につく。1番打者がいきなりヒッティング。いい当たりだったが、ライトよりのセンターフライを伸也が落ち着いて捕って、ワンアウト!幸先がいいぞ、と思ったのも束の間、ああ、公二朗、ストライクが入らない。2、3番に連続四球。ガチガチに緊張しており、腕がしっかりと振れていない。ここで4番打者が放った強めのファーストゴロを剛が後逸!ボールが一塁線を点々とする間に、2塁ランナーがホームイン。同点に追いつかれ、さらに1アウト2、3塁のピンチが続いた。しかしその後も、公二朗に立ち直る気配はなく、連続四球を与え、押し出し。嫌なムードが広がり、ワンアウト満塁のピンチが続く。次の7番バッターは、公二朗の投じた変化球を芯で捉え、一、二塁間を抜けそうな強烈な打球!しかし、セカンドのヤスが走りながら必死で伸ばしたグラブに奇跡的にドンピシャで白球が収まり、一塁送球、アウト!3塁ランナーはホームに生還したものの、ヤスの好守備で大量失点は免れた。結局、1回表に3点を失う。ベンチに帰ってきて、座っている公二朗の背中を平手でバシッと打ち、活を入れる。「何をビビって投げてんねん!気楽に思い切っていかんかい!」公二朗、すまなさそうに頷く。
1回裏、さあ反撃だ!幸先良く一番伸也が打撃妨害で出塁(空振りしたバットにキャッチャーミットが当たった)。2番昆ちゃんが見送りの三振に倒れたものの、3番ジャイロはセンター前ヒット!4番剛も右中間へのヒットで続き、1アウト満塁の大チャンス。5番ヤスがバッターボックスに入る。初球のストレートを強振するもファール。タイミングはあっている。2球目は高めのつり玉を見逃しボール。3球目は外角ギリギリのストレート、ストライク!早くも追い込まれてしまった。ウーム、これは昨年と同じパターンだ。昨年は一打席目に2球ストレートで追い込まれたあとのスライダーで打ち取られた、きっと同じ攻め方で来るに違いない、と読む。そして、スライダーが来た!!よっしゃ!少し泳ぎ気味であったが外角低めの球をバットで捉え、打球はセンターへ飛んでいく。セカンドの頭を越えるイメージで打ったが、打球は思ったよりも伸びてしまい、センターが捕球。ああ、読みは当たったんやけどなあ。。。。6番ホッシーは見送りの三振で、三者残塁。絶好のチャンスを逃した。
2回表。ヤスの平手打ちの効果か、ここで公二朗が立ち直った。ストライクが入るようになり、相手バッターを打ち取っていく。2アウトからヤスが緩いセカンドゴロをお手玉してしまいセーフ。公二朗にグラブで背中をたたかれ、「なにビビってんねん!」とお返しをされてしまった。悔しい。ヤスのエラーでランナーを出したものの、要所を抑え、無得点。2回裏。7番奈波、ショートフライ。8番公二朗のサードゴロは、サードが大きくはじいたものの、公二朗の走りが遅い!スローモーションの映像を見ているよう。あえなく、一塁でアウト!ウーン、昨年の八子の走りを彷彿させる鈍足ぶりであった。公二朗、シェイプアップせんとあかんね。 9番サバンナ、三振で三者凡退。3回表、ランナーを出したものの公二朗が後続を断ち、無得点。3回裏、ヤスラボ上位打線で反撃だ!1番伸也は内角低めに手が出ず、見送り三振。しかし、2番昆ちゃんが頭にデッドボール!ふらつきながら一塁に向かう昆ちゃんを球審の船水君が気遣うも、「僕、頭にボールが当たった方が頭が良くなりますねん」と本当かどうかわからない言葉を吐きながら一塁へ。思いがけない昆ちゃんのジョークにベンチが沸く。昆ちゃんのジョークが受けたのを見たのは初めてかもしれない。。。。ここで、3番ジャイロは1、2塁間を抜くライト前ヒット!ライドゴロを狙ったライトが一塁に悪送球、その間にランナーがそれぞれ進塁し、1アウト2、3塁のチャンス。4番剛、頼むぞ!「カーン」会心の一打!打球が右中間を転がる間に、ランナーが二人生還、5-5の同点に追いついた。打った剛は一塁でガッツポーズ。ヤスラボベンチは大いに湧く。続いて、5番ヤスはストレートを引っ掛けピッチャーゴロ。2アウト2塁から、ホッシーがショートゴロに倒れ、反撃は2点どまりとなった。しかし、同点に追いつき、ベンチのムードは最高潮に達した。いけるぞ!
4回表、裏はともに無得点。時間切れのために、5回が最終回。さあ、泣いても笑っても、ここで決まる。
5回表。いきなり相手チーム先頭の4番がつまりながら、レフト前にぽとりと落ちるヒット。レフトの陸の処理が少し遅れる間に、ランナーは2塁に達した。ノーアウト2塁のピンチ。しかし、ここで公二朗が踏ん張り、5番、6番を連続三振!ツーアウト2塁までこぎつけた。もう少しだ!次の7番左バッターが引っ掛けた打球はセカンドゴロ。ヤスがしっかりと捕球し、ファーストへ送球。ああ、しかし、ボールが指に引っかかり、一塁への送球はワンバウンドに。ファースト剛のミットから白球がぽろりとこぼれ、急いでボールを拾い上げたあとに、バッターがファーストへ。ああ、間に合ってよかった、と思ったのも束の間、一塁塁審がまさかの「セーフ」の判定。今のは絶対アウトやろ!ファーストの剛が、地面に倒れながら抗議。しかし、そのどさくさに紛れて、セカンドランナーがホームイン。剛!何で早く起き上がらへんねん!なんとも、納得のいかない点のとられ方であった。多くのタラレバ。ヤスがしっかり、ファーストに投げていたら。剛が捕球できていたら。塁審がアウトと(正しく?)判定できていたら(1959年天覧試合で長嶋のサヨナラホームランを、打たれた村山がファールだと言い張った。ああ、村山、あなたの気持ちが今、よく分かります。Good loserになるのは難しい)。剛が早く起き上がっていたら。でも、まあ、一番悪いのはしっかり投げることのできなかったヤスであろう。練習不足もあって、スローイングに不安を残していたが、一番大事な時にちゃんと投げることができなかった。悔やんでも悔やみきれないプレーになってしまった。公二朗は一生懸命に投げて、しっかり打ち取っていただけに、本当に残念だ。
最終回裏。ヤスラボチームの反撃が期待されたが、1番伸也、空振りの三振。2番昆ちゃん、見送りの三振。3番ジャイロがサードゴロ。三者凡退で、あえなくゲームセットとなった。

1点差の好ゲームだった。剛の気迫のタイムリーヒットは、本当に素晴らしかった。公二朗は、初回こそ崩れたものの、その後立ち直ってよく相手打線を抑えたと思う。いい当たりのヒットの数は、ヤスラボの方が多かっただろう。公二朗、精神力を鍛える必要があるね。大切な時に平常心で臨めるように、これからもビシビシとサイエンスで鍛えてあげるよ。 というものの、一番の戦犯は一回裏のチャンスで凡退し、タイムリーエラーをしてしまった僕なのかな?まあ、出場によるハンディで一点獲得しているし、一回表のファインプレーもあったので、許して下され、皆の衆。

(総評)

公二朗は、決勝戦の初回を除いては、制球も良く、変化球が要所でよく決まっていた。来年がいよいよ公二朗最後の年、是非、有終の美を飾って欲しいと思う。女子は、敦子さん、奈波ともに、素晴らしいバッティングを披露し、大活躍でした。昆ちゃん、ジャイロ、剛の打撃も素晴らしかった。伸也は打撃に課題は残したけれども、センターの守備は安定していたね。ホッシーも慣れないキャッチャーをよく頑張ってくれました。ずっと懸念であった、ショート昆ちゃんからセカンドヤスへのショートゴロ・セカンドフォースアウトも、今大会は2回ほど決まり、昆ちゃんからの暴投をヤスが捕球できないと言うこれまでの悪夢のようなジンクスを払拭できたのは嬉しい。試合に出ていないメンバーのベンチからの応援も声が出ていたし、チームとしてとても盛り上がり、いい雰囲気だった。野球ってやっぱりいいよなあ。
ヤスは、6打数2安打1三振、7四球。まあまあかな。守備はスローイングが安定せず、もう少し練習が必要かもしれない。でも、1、2塁間の痛烈なゴロを2回もファインプレーで捌くことができたのは、大きな自信になった。まだまだ、セカンドレギュラーの座は若い者には譲れない。
今年もヤスラボは優勝できなかった。初優勝の夢は来年以降に持ち越しだ。でも、「果たせないものがある」、というのも夢が残っていいのかもしれないな。大会後の飲み会で、ヤスラボメンバーとあれやこれやと野球談義をしながら、ボンヤリとそう思った。

updated : 2017/09/04