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YASUの呟き No. 22

Martin Raff先生からの金言

僕がロールモデルとして尊敬している研究者の一人がMartin Raff先生である。Martinは、僕がロンドンのMRC LMCB研究所でグループリーダーを務めていた時(2002~2011年)に同僚だった。Molecular Biology of the Cellという世界的なテキストブックのエディターを務め、さらにNature, Cell, Scienceの3大誌に論文を次から次へと発表してきた著名でoutstandingなサイエンティストである。当時、PIとして駆け出しであった僕は、サイエンスへの考え方やラボ運営などについて、Martinから様々なアドバイスをもらい、助けてもらった(ヤスの呟き第1話「樹の下で何を思う ~ロンドンの灰色の空を見ながら~」でもその時のエピソードが記載)。またジャーナルに投稿する前に、Martinに論文の草稿を渡して意見を求めると、真っ赤に追記・修正された論文を返してくれた(論文の書き方や英語での表現など本当に勉強になった)。世界的に著名でシニアな研究者であるにも関わらず、偉そうにするところが全くなく、僕のような未熟なPIのみならず、学生やポスドクなど若い研究者にとてもフレンドリーに接して、みんなから慕われていたのが強く印象に残っている。また、様々な研究所長や大学の部門長などへの強い勧誘を全て断り、ヒラのPIとして研究に専念していたのも、カッコええなあ、と思った。Martinのラボで以前ポスドクをしていた群馬大学の石崎泰樹教授がエッセイの中で、Martinの金言をまとめていらっしゃるのを偶然発見した。石崎先生に御許可を頂き、以下に抜粋します。参考にして頂ければ幸いです。僕は、ヤスラボ教授室の壁にこの金言を貼り付け、いつも自戒しています。

Martin Raff’s advice
Some advice for young scientists

               1. Maximize your chances of discovery
               2. Be bold: address important questions
               3. Avoid crowded areas of research
               4. Try to kill your current hypothesis quickly
               5. Make time to think
               6. Share everything – reagents, mice, ideas
               7. Publish small steps, if they are important


updated : 2021/01/27