イベントレポート No. 13
女性大学での講演
平成24年11月6日(火) 女性大学(場所:かでる2・7)にて「正常細胞ががん細胞を駆逐する!」と言うタイトルで2時間ほどの講演を行った。女性大学は北海道女性協会が道内女性の現代社会における教養知識を高めて男女平等参画を推進するために、昭和49年から開講している歴史ある教養講座である。会場は平均年齢65歳の200名弱女性で埋め尽くされ、その熱気に圧倒された。がんの発生機序を紹介した後に、小テストを行い、最後にヤスラボでおこなっている研究内容について紹介させて頂いた。参加者の皆さんはメモを取りながら熱心に聴講していらっしゃった(北大生よりも知的好奇心は上かも)。ジョークもなかなか受けたので、気持ちよく講義させて頂いた。
小テストは「これまでになかった新たながん予防あるいは治療法について考えつくところを自由に御書き下さい」というテーマだった。多かった答えは、「よく笑う」「くよくよしない」「iPS細胞を用いる」というものだった。以下、私が面白いと思った解答(優秀賞)を発表します。(※は私からのコメント)
- 遺伝子は無重力状態を経験してないと思うのでがん細胞に経験させてみては?(高野さん)(※なるほど。これ面白いかもしれんなあ。)
- がんになったら「赤ちゃん意識」に戻ってもらう。がんの原因のほとんどがストレスによると聞くので、生まれた喜びしかない原点に戻ると「喜び」しかないのでよけいなものはなくなると思う。(無記名)(※とても哲学的ですね)
- ドラえもんにタイムマシンを出してもらい、治療法が確立した時代に行き治療してもらう。(匿名希望)
- 長生きしない。(匿名希望)(※シュールですなあ)
- 現在の医学界の考え方(手術や薬による治療が主流)を予防を前面にしたものにするのが大切だと思います。(内山さん)(※いいポイントをついていると思います。がん予防については、薬の治験などのシステムも全く整備されていません。)
- 究極の予防法??サイボーグになる。宇宙への移住。冬眠(冷凍状態)。(久保田さん)(※柔軟な発想、素晴らしいですわ。宇宙に行くとがんが治るかな?)
- イヌが匂いでがんを嗅ぎ分けるというのがあったが、そこは研究しているのか。(鈴川さん)(※知りませんでした!)
- 老年パワー(熟女)が溢れる場所に積極的に参加すること!!この女性大学に参加して、世の中にはこんなに学びたいと思っている方達が多いのかと、驚きました。そのパワーに触れることで体が活性化され元気になれます。自分も元気に頑張るぞ!で細胞もイキイキです。(のりさん)(※これには全く同感です。私も講義しながら受講生の皆さんのパワーに元気を頂きました。)
皆様の解答を読みながら、「講演とても面白かったです。」「研究頑張って下さい!」などの励ましの言葉もたくさん頂きました。研究者相手ではなく、一般の方相手に研究の話をするのは準備も大変で難しかったですが、私にとってもたいへん貴重な経験になりました。あのような「ハーレム状態」で講演をすることはもう二度とないかもしれませんね。御静聴どうもありがとうございました!
updated : 2012/11/07