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YASUの呟き No. 09

新学術、穫ったどおー

平成26年6月27日、僕が領域代表者として申請していた新学術領域『細胞競合:細胞社会を支える適者生存システム』が採択されたとの正式通知を受けとりました。今回で、細胞競合班としては3回目のチャレンジ。採択されたと知った時は、「これまでの色々な苦労が実ったんだ」という震えるような想いと、一緒に申請を頑張ってくれた13名の同士の先生方の期待に応えることができたという安堵感で、胸がいっぱいになりました。 新学術領域は、研究者が申請できる研究費の中で、『団体戦』の要素を含む特殊なものです。新たな研究領域を開拓発展させるために、複数の研究者がチームを組み、多角的かつ統合的に研究を発展させるものです。期間は5年間で、総額約15億円。細胞競合班は、もともと京都大学の井垣先生が3年前に立ち上げたもので、僕は最先端次世代開発プログラムの重複制限のために、昨年度から参加(昨年はヒアリングに進んだものの惜しくも採択されず)。紆余曲折を経た後、今年度から僕が領域代表者に代わりました。研究申請は、最初にまず書類審査。1次審査に通過したら、2次審査では合計100ページを越える膨大な研究計画書を提出し、最後のヒアリングに臨みます。ほぼ半年にわたる、これらのプロセスは思い返してもハードなものでした。膨大な申請書を記載、校正するのは本当に大変だったし、ヒアリングの準備も重圧で押しつぶされそうになりながらの作業だった。ただ、これまで2年間領域代表を務めてくれた井垣先生のおかげでしっかりとした礎ができていたので、それを引き継ぐことができた僕はかなり楽をさせてもらったのかもしれない。それでも、2次申請書作りからヒアリングまでの3ヶ月間ほどは、週末のほとんどの時間をつぎ込んできたし、いつも心にはヒアリングのことを考えていました。いやあ、正直もう二度とやりたくないです....
今年度は、昨年度から研究代表者を大幅に入れ替えて、新たなメンバーが多く加わりました。いわゆる実力者の先生方から30~40歳代の若手までとてもバランスのいい構成になったと思います。申請書を作る準備のために、最初に皆で集まって会議をしたのが昨年の9月23日。6時間近くほとんど休憩も取らずに、領域班でどのような研究を行うか、などについて喧々囂々とディスカッション(議長の僕もヘトヘトになりました)。そして、そのあとの懇親飲み会。京都百万遍の「桃次郎」という格安居酒屋で杯を重ね、ここで領域班としての一体感が一気に深まったと思います。店の名物のロシアン明石焼(10個の明石焼の中に一つだけタバスコ入りのものが混ざっている)では、いわゆる実力者の高井先生と一條先生が大当たり。両先生には申し訳ないですが、これはかなり盛り上がりました。その後も、ヒアリングまで合計6~7回領域会議を開きましたが、会議の後は常に飲み会を開き、結束を深めました。ああ、やっぱり飲むのって大事だなあ。これから5年間、今後は公募で加わる研究者も交えて、より活発で面白い飲み会になることでしょう。ああ、それにしても人との出会いって、本当に素晴らしい。これこそが人生の醍醐味なんだと心から思う。
これから領域代表として、自分のラボの研究だけではなく、領域班全体の研究を推進していかなければならない。哺乳類における細胞競合研究のパイオニアである自分の責務と受け止め、精一杯頑張っていこう。
まずはこの秋の科研費申請で、細胞競合班の公募研究に数多く応募してもらえるように、細胞競合を大々的に宣伝していかなあかんなあ。意欲的、野心的、革新的な応募をお待ちしております!!

updated : 2014/06/28